Buon compleanno！

復活　(10月13日/未来/捏造/祝福)

「あぁ～なんでこんなに暇なの…」


ボンゴレ10代目、沢田綱吉は背伸びをして椅子の背に持たれかかった。
今日は、なぜか毎日の様に届く書類や始末書が1枚も自分の元に来ない。
昨日、側近であるリボーンの誕生日を祝う為に時間を割いたので、何時もより多い筈なのに…と、首を傾げていた。

そして、何時も護衛や補佐としている者達も誰も来ない。


――何かあっただろうか…。 


10月12日… 己が中学生の時から共にいる家庭教師を祝った。
その2日前には、一時生死を賭けたドンの座を巡る争いをした、彼を祝った。
立て続けに祝い事、しかも幹部の…かなり大掛かりなパーティーで祝いをしたので、仕事が暇な筈がない(何時も暇ではないが)


でも、超直感が…特に何かを予知するわけでもなかった。


ただ、のんびりと。どれ位振りだろう…というくらい、のんびりとした時間を過ごしていた。
しかし、夜になっても補佐や守護者…下の者までも顔を出さないと流石に不安になる。


小さく息を吐き、自室を出る。
忙しいのが好きな訳ではない…けれど、何か物足りない。




屋敷を周りながら…身近な者達の気配が多い部屋を見つける。
何時もは、ほとんど人が寄り付かない奥の部屋。
気配を隠して、そっと小さく扉を開く。



「いいか、今日は十代目には絶対仕事持ってくなよ！」
「わかってるって。にしても、何時もツナこれだけやってたのか～」
「凄い量だね…。ツナヨシもよくやってた」
「ボヴィーノの比じゃないですよ」
「それは当然じゃありませんか？マフィアの頂点に立ってるんですから」
「沢田もよくやってるな。これは本当にめんどくさいぞ」
「ボスの為に…頑張る」

守護者が。


「ちっ…おい、この資料は何処だ？」
「これだあぁー！ったく、厄介だぜ」
「ツナちゃんも毎日大変ね～」
「しし、ツナヨシ過労だね」
「笑い事では、ないのでは」


ヴァリアーが。

「これだけやるとは、やっぱあのダメツナも成長したな」
「もう、ダメツナなんて言えないんじゃないかコラ」
「ボンゴレ、眠れてるんですか？」
「まったく、僕のタダでやらせるのはツナヨシくらいだよ」
「あまり眠れていないとの話だが」
「今度、強力な睡眠薬持って行くよ」

アルコバレーノが。


何時もは、お互いに威嚇し合っている彼等が物凄い量の書類を片付けている。
話からすると、自分の仕事。
忙しすぎて、自分の気配に気付いていない位に。


――何故、そんなことを…。



部屋に掛かったカレンダーが目に留まる。





ottobre　idi　

natalizio



10月13日

誕生日




(…あぁ……忘れていた…)




　
扉を小さく閉め、目を伏せる。

彼等に、祝福を…
己に、祝福を…
　　　　　　　　　

benedizione






Tanti Auguri a te　Tunayosi　Sawada









＝＝後書き＝＝
ツナヨシ誕生日おめでとー！
めでたい、めでたい。
さっき思い立って書いたので…よく、わかってないです(…)
何年後かも、わかりません(取りあえずボス襲名から数年後)
特に、イタリア語なんて適当です(…)
個人的に、ツナ様は自分の誕生日は忘れてるのがいいです。
昨日はリボ様おめでとう！10日はザン様おめでとう！
何より、ツナ様おめでとう！！

07年10月13日(別ブログより再録)