乾いた瞳

「誰だって、一瞬でも恐怖を持つんじゃないかな？」


真っ直ぐな瞳が向けられ一瞬何を言われたかわらなかった。




「僕もね、怖かった時がある。デュエルなんてしたくないって」
「遊戯さんも、ですか…？」
「そう、だって僕の次のカードで相手の生死が決まるかもなんて…やっぱり怖いじゃない」
「でも、それは」

有名な話だ。好敵手である海馬瀬人が弟を救う為にデュエルを仕掛け命を賭けられ勝てる筈のデュエルに彼が負けたのは。公平さで言えば、なんとも言えないものなのでそれについてはほとんど話を聞かない。
渋る様に声に苦笑いをしながら彼は続ける。

「うん。自分の命すら重いのに…それってもっと重いでしょ？」
「…いの、ち」
「そう、君達もわかると思う」
「…はい」
「えぇ」

何処か複雑そうな顔で困った様な顔をしながら二人は頷いた。
二人の様子に更に苦笑いを深めた。

「辛いね、苦しいよね。でも、背負う者の宿命かな」

人であれ、精霊であれ



そう笑う彼の姿に、自分達は何も出来なかった。
今でも彼の傷跡が疼かんようにと祈ることのみ。




＝＝後書き＝＝
傷跡は消えることはないだろう。
それでも彼の心が再び涙を流さん様に。


まさかの十代・エド→→表遊戯
エドは個人的に大好きです。

なんでこの人選になったか不明。
最初はエドだけだった…筈。
あの出来事は、遊戯とそして海馬が誰よりも悔やんでるじゃないかなぁ…それを乗り越えても、きっと消えることはないだろうけど。

個人的に言えば、エドって上手くいっていれば十代とヨハンの様な関係になってたんじゃ…と思う。
境遇とか近いわけじゃないけど、エドもD・HEROとはいえ精霊がみえるから。
最初はライバルになるかな…と思ってた。(ヨハン出る前ですしね)
十代のライバル構造はヨハン＞＞万丈目＞＞＞エド　だと思う。
誰とだってデュエルは出来るけど、相手も精霊見えれば更に対等だな。