太陽の温度

十表絵茶にて波璃さまが描かれた覇王表絵がもとの小話。
 チャット中に書いたものを修正・加筆。

美麗イラストは此方

倒れていた遊戯を見つけ、慌てて抱えた十代。

様子をしろうとしても、十代は決して離そうとせず、そして誰にも触れさせない様に抱え込んでいた。


自分たちは、どうして彼が倒れているかを考えることしかできず、また水などを用意することしかできなかった。
しばらくして、十代がやっと口を開いた。
その声はとても小さい筈なのに、その場にいた誰の耳にも響いた。


 誰だ…？


冷たい、そう異世界で「覇王」と言われていた時の声。
だが、その声音はあの時よりも遥かに恐ろしく感じられた。

同じ声なのに、どこまでも冷徹で…そしてその時以上に心を凍てつかせる。

背筋がゾッとし、恐怖でその場から離れることも身動きをとることも出来なくなった。


逃げなくては。ここから離れなくては。彼から『彼』を離さなくては。彼を、元に戻さなくては。


誰もがそう考える中、誰もそれを成せない。
声を出すことすら、出来ないその場を支配していたのはまさしく彼であった。


ゆっくりと、彼が振り向いた。


こちらを向いた瞳は、まさしく覇王の瞳(いろ)であった。




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お粗末さまでした。覇王表いいですよね！
同じイラストを基にしたのに茶室にて舞香さまが書かれたものとのこの差はなんだろう…。
(舞香さまの素敵小話は、舞香さまのサイトにあります)
波璃さま・十表絵茶参加者さまに捧げます(欲しい方が居れば、ですが)

タイトルの「太陽の温度」は遠くと近くの温度の違い。