2007.10.29. 開設 日々徒然と二次創作、オリジナルなどを書いていこうかと。 コメント大歓迎、荒らし厳禁。 詳しくは説明にて。
+ + + + + + + + + +
「壊す…か」
何処か遠くを見ながら彼の人は呟いた
そこは、不思議な空間
薄暗く、何処まで広がるかわからぬ空間
「Ⅹ世(デーチモ)の覚悟」
「我々も、受けた」
「各々の覚悟」
「覚えている」
「業を知り」
「力の代価を」
「背負いしものを」
「受け取った」
『時』
それがこの空間を占めていた
記憶であり時間であり指輪に刻まれた歴史。
広がる空間に『在る』のは、九人。
ボンゴレⅠ世(プリーモ)
ボンゴレⅡ世(セコーン)
ボンゴレⅢ世(テールツォ)
ボンゴレⅣ世(クアルート)
ボンゴレⅤ世(クイーント)
ボンゴレⅥ世(セースト)
ボンゴレⅦ世(セッティモ)
ボンゴレⅧ世(オッターエオ)
ボンゴレⅨ(ノーノ)
ボンゴレの歴代ボス。
大空のリングを受け継ぎ、記憶を刻ませていた者。
そして、現在はちゃっかりボンゴレⅩ世こと沢田綱吉にとり憑いている九人。
「あの子は、いい子だな。Ⅸ世よ」
「そうだろう。あの子は本当にいい子でやさしい子なんだ」
「私の血を、継いでいるしな」
ちゃっかりと、自分の血を継いでいると強く言ったⅠ世。
一応、皆ボンゴレなので全員が血は(かなりの遠縁としても)繋がっているが『自分が』というのを強調したいらしい。
「Ⅰ世の血を受け継いでるのは不本意だが、かわいいな」
「あぁ、Ⅰ世とは比べものにならないくらい」
「Ⅰ世が可愛いなんて誰も思ってない」
「Ⅹ世、あの子の名前はなんと言ったか?」
「ツナヨシだよ。可愛い名前だろう?」
「可愛いな。今度会った時は名で呼ぼう」
「最初に呼ぶのは、もちろん私だがな」
常に我が道を歩むⅠ世に、周りは慣れた様子でスルーをし、談話している。
何時の間に現れたか、それぞれ椅子に腰掛けながら話題は変わらず。
「残念だがⅠ世、既に私が彼の名前を呼んでいるよ」
Ⅸ世は(何処となく裏に何かありそうな)笑みを浮かべてⅠ世に話す。
「…それは、十年前の話だろう」
「あぁ。でも、呼んだことに変わりはないよ」
二人の間には何処となく冷たい風が吹き荒れているが、残り七人は気にしていない。
何処から現れたか、紅茶を飲みながら話は続く。
「そういえば、あの子と後継者争いをした、Ⅸ世お前の義息子」
「私を簀巻きにして、ツナヨシに喧嘩を売ったあれは、Ⅱ世そっくりだよ」
「あぁ、それは私も思ったわ。あの顔といい、性格といいⅡ世そっくり」
どことなく黒い気配を従わせながら、周りの視線はⅡ世へ向く。
特にⅧ世は女性ということもあるのか、ツナヨシが可愛いい様で黒いオーラも強い
「ボンゴレの血に拒まれた、つまりボンゴレの血統ではないのだろう…」
「それでも、繋がってるんじゃないか?お前と」
「炎まで憤怒の炎なんて。性格も炎の名通りだな」
「大体、憤怒の炎なんて力だけは強いくせにⅦ世の二丁銃を持つなんて、ツナヨシが怪我をしたらどうするつもりだったんだろうな?そいつは」
Ⅰ世は気配どころかニッコリと笑った笑みに黒さを滲ませながらⅡ世を見やった。
戦略の一つ…というツッコミをするものは誰もいない。
誰もがツナヨシが可愛いい。
それはⅡ世も同じ筈なのに『似ている(多分、彼も遠縁ではあるだろう)』というだけで集中発砲を受けるⅡ世は哀れであるが、それを言う者も誰も居ない。
「…私では、ない」
「そうだろうけれど、やっぱり憤怒を当てるなら憤怒の炎のお前ががぴったりだと思ったんだ」
つまり、当て馬だと周りから笑顔で言われるⅡ世は泣きたくなった。
だが、涙が零れる前にそれは止められた。
「止めて下さいね。貴方の様ないい年した男の涙なんて気色が悪い」
「そうですね。ツナヨシの様な可愛い子ならいいのに、見苦しいだけですよ」
Ⅴ世とⅥ世の笑顔でのその言葉に、場は一瞬だけ静かになったが、すぐに元の雰囲気になる。
彼等の笑顔は1人でもかなり強力なもの…と専らの話(しかしその話はここに居るもののみ)
その二人から同時に受けたⅡ世は動くことも出来なかった。
「そういえば、ツナヨシが試練を受けるに少々予定よりも早くないか?」
一番常識人そうなⅢ世の言葉に周りはそういえば…と考えを巡らす。
その時、素早く涙を拭ったⅡ世がいたとか、いないとか。
「どうやらボヴィーノの坊や…あぁ、ツナヨシの雷の守護者だよ。その子が黄のアルコバレーノに十年バズーカを撃ったらしくてね」
「十年バズーカ。あぁ、十年後の自分と五分間だけ入れ替わるという?」
「そうだ。そして、どうやら今いる十年後…正確には九年と十ヶ月と少々の時間ではツナヨシが死んでいるらしい」
「その二ヶ月が、どうにも意味深気だな」
一気に確信を突くあたりⅦ世の怒りもかなり高いらしい。
「大体、ツナヨシを殺すなんて何処の奴の仕業?私が直々に灰にしてやるわ」
「Ⅷ世、それは私の役目だ」
「私も是非とも、そいつを燃やしたいね」
Ⅷ世の言葉にいち早く反応したのはⅠ世とⅨ世。
血の繋がりや、直接あった分怒りも多い様に見える(誰しも同じ様なものだが)
「待て」
「何だⅢ世?この期に及んで止めろなどと言うつもりか?」
止めたら、お前も消してやる…向けられた視線には含まれていた。
彼等は、既に故人(Ⅸ世は生死不明の行方不明だが)なので消すはおかしいのだが、そこはボンゴレリングの中。
彼等の喧嘩(第三者から見れば、喧嘩などで済まされないが)は頻繁に行われる。
特にやられるのは、炎の力自体は一番強い筈のⅡ世であることは余談である。
しかし、Ⅲ世は動揺することもなく首を振った。
「違う。やはりここは、そいつを順当に当てていくのが妥当じゃないか?皆、怒っているだろうしな」
常識人に見えて、やはり彼もイタリア最大マフィア・ボンゴレのボスだった。
彼もツナヨシが可愛く、言うことはかなりのもの。
「そうだな、やはり死ぬよりも生きた状態で苦しむのが一番だろうしな」
「痛覚と意識は残した状態で十分の九殺しが妥当だろう」
Ⅴ世の言葉もかなり酷い。
具体的な案を言っているⅠ世は更に惨い。
他の者も賛同して頷きながら、相手をどうやってやろうかと考えながら、各々の炎を溜めたり武器を磨いたりしている。
「それにしても、ツナヨシが死んだなんて…守護者は何をやっていたんだ?」
「全くだ。命を捨ててでも主を守らずどうしていたんだか」
「ツナヨシの守護者はどんな者達だったか?」
話題は移りに移り守護者の話に。
とはいっても、中心には常にツナヨシである。
八人から視線を受け、Ⅹ世は思い出すようにしながら語り始めた。
「晴れの守護者は、あの中では常識人だ」
晴れの守護者・笹川亮平。
癖が強いが(癖がない者もいないが)、恋愛に関してはイマイチわかっていない様なので、特に警戒はしていない。
Ⅸ世の言葉にゆったりと紅茶を飲みながら、何処からか電波を受信したボス達はその姿を浮かべる。
「雷の守護者は、先程言った様にボヴィーノファミリーだ。まぁ、まだ幼い子だから安心だ」
雷の守護者・ランボ。
まだまだ幼いが将来性を買われた守護者。幼い為か、恋
愛事には未だ鈍感。
何が安心かは言うまでもないが、何処からか現れた茶菓子を口に含みつつ電波を受信した彼等は安堵した。
「嵐の守護者…彼はツナヨシに一目惚れした様でな」
嵐の守護者・獄寺隼人。
(自称)ツナヨシの右腕で、ツナヨシ第一。恋愛事とわかっているのかは不明である。
一目惚れの言葉に顔を顰めつつ、電波の受信は終わらない。
「雨の守護者は、元々ツナヨシと同級生でね、ファミリーになる前からツナヨシに目をつけていたらしい」
雨の守護者・山本武。
元からのクラスメイトで、実はかなりの腹黒で強者。
目を付けていたの言葉に、各々の武器に目を向けながら電波受信(放送局不明)は終わらない。
「霧の守護者…少々特殊でね、一人だが二人だった。守護者はマフィア嫌いでね、だが元々はツナヨシを手に入れようと色々計画していた」
霧の守護者・六道骸。そして髑髏。
現在は骸もいるが、髑髏の希望もあり彼女もボンゴレの一員。骸は確信的に髑髏は初恋としてそれぞれ恋愛感情がある。
浮かべた姿の髑髏は(特にⅧ世が)安堵していたが次に流れたパイナップルに、持っていた茶器にヒビが入ったたが電波の受信を続ける。
「雲の守護者は、群れるのが嫌いらしが、どうにもツナヨシが一緒にいなければ不機嫌でね」
雲の守護者・雲雀恭弥。
現在もその名の通り孤高との存在の彼だが、ツナヨシへのアピールは周りとの馴れ合いが少ない分かなり大きい。
流れ続ける電波(有料か無料かは不明)の映像に、ついには持っていた茶器は粉々に。
どす黒いオーラをそれぞれ振りまきながら(特に後者四人に対し)、今すぐに飛び出してしまいそう(何処へと訊くのは言うまでもなく)になる歴代ボス。
そして、どの映像にも必ずと言って良いほど、ツナヨシの姿がある。
その中には、守護者それぞれの妄想…もとい、既成事実の計画も流れ込んでくる(意味が変わっていない気がするが、ツッコんではいけないお約束)
「ねぇ…」
「そうだな」
「決まりだな」
「そうなれば、早くしなければ」
「準備など要らないからな」
「ツナヨシを可愛がることと…」
「ツナヨシを殺した奴への報復と」
「ツナヨシを狙う奴らへの、牽制と」
「ツナヨシに会いに行く」
超直感のお陰で、言葉に出さずとも通じ合う彼等(その使い方は激しく間違っている気もするが)
Ⅰ世の言葉に大きく頷きながら、それぞれの炎を溜めていく
世界どころか銀河すら制覇してしまいそうである。(空気の問題もどうにかしそうである)
何時もはお互いの意見に同意などすることがない彼等。
それどころか、意見が合うことなど皆無に等しい彼等。
そんな彼等の共通の想いは一つ。
ツナヨシ!
ちゃくちゃくとツナヨシに会う為の計画が進められていた。
―――ヴァリアー秘密拠点―――
ボンゴレ本部が壊滅し、密かにボンゴレを守るヴァリアーの面々のアジト。
そこには、十年前にツナヨシと後継者争いをしたザンザスや他のヴァリアーの者達も集っていた。
「……………!?…」
「どうしました、ボス?」
急に顔を顰め、しかも何やら顔色が悪くなったザンザスにレヴィは驚いた様に訊いた。
「……いや…なんでもねぇ」
「なんでもないって顔じゃないわよ、ボス」
「ししっ、すっげー色。ジャッポーネで言う土気色ってやつじゃね?」
「あぁ!?どうしたテメーら」
何気なく見たルッスーリアが顔を顰めて、ベルフェゴールが面白そうに笑いながら見ていた。
そこに、偵察としてタイミング良く(本人にしみれば悪く)帰ってきたスクアーロ。
そこにイラついたザンザスが物を投げつけるのは必然的なこと。
そして、その投げた物がたまたま近くに転がっていた包丁だっただけのこと。(現在ヴァリアーの面々は自炊)
彼等の関係性も十年前と変わらない。
スクアーロの命の前に自分の命が何時消えるかわからないことをしらないザンザス。(超直感で嫌な予感は働いているが、気にしないことにしたらしい)
歴代ボスに対面するまで、あと僅か。
十年前の自分の行いの報いが今更来るなど知る由もない彼等。
―――並守地下・ボンゴレアジト―――
修行の合間の短い休息に、一息付いていたツナヨシはなにやら不思議な気配を感じていた。
「う……」
「どうしました、十代目!?」
「いや、なんか変な気が…」
「大丈夫か?俺も変な感じはさっきしたけど」
「お前もか?俺もしたぜ」
「ツナ、おれっちも変な感じがした~」
共に休息をとっていた十年前の守護者も彼同様気配を感じていた。
しかし、彼等が感じた気配は怒りに近いようなもの(もちろん、ボス達の怒りのものである)
それは現在来ている世界の霧の守護者・雲雀も同様だった。
「三人も?あれ、雲雀さんどうかしたんですか?」
「……何でもないよ」
「んだと!?十代目が心配されているのにその言い方!」
「まぁまぁ、落ち着けって」
「ツナヨシに心配されるのは嬉しいけど、君に怒鳴られる筋合いはないよ」
「てめぇ…!!」
「獄寺君、落ち着いて!俺気にしてないから!」
十年前と同じ様な光景。
束の間の休息は過ぎていった。
今はまだ逢えていない守護者も同じ様な気配に身構えているだろう。
そして、ボンゴレ・ボス達の計画を彼等が知るのは、それにもう少し先のこと。
Fin.
==後書き==
Fin.
==後書き==
復活では初の作品で、内容はWJ07・39号標的158『継承』に繋がる作品となります。
最初はシリアスな話でしたが、ギャクバージョンを書いていたらそっちのほうが進んで進んで(笑)
それぞれのボスの口調は捏造です。こういうのは、書いた者勝ちですよねっ!
私設定では、ザン様(=似ているⅡ世)は弄られ(やられ)キャラです。
私、ザン様大好きですよ?(笑顔)
私、ザン様大好きですよ?(笑顔)
アルコバレーノは出そうか悩んだんですが、一応(本当に一応)本編沿いなのでなしで…(マーモン出したかった)
蒼翠ちゃんとのコピー本用のもの。
蒼翠ちゃんのイラストは宝です。これは燃やしましょう(…)
07年9月25日 (イベント・コピー本より再録)
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成人者の高卒者。
最高学歴は専門学校です
熱しやすく、冷めにくい。むしろ、いつも煙はでている(笑)
性格は社会的には真面目(というより面倒見がいいらしい)、でもすごい優柔不断で酷い奴。自分に自信が持てない。
【現在一押しジャンル】
鰤
【近状】
高校卒業。
4月から歯科衛生士の専門学校
ブログ統合終わってるのに、いい加減削除しようよ自分。
【在中ジャンル】
遊戯、復活、ギアス、APH、彩雲国、マイネ、鰤、セラムン、ギアス、名探偵、愛盾21、ぬら孫、ポケ、TOA、夏戦争
【案内】
中心…小説一覧。最上記事。
日記…徒然なるままに。感想から日々まで。
欠片…独言。オリジナル・詩など。
小話…二次創作の短文過ぎるもの。
バトン…言わずなが。
物語…二次創作のやや長めの作品。
遊戯…遊戯王の作品・作品関連など(13作品)
企画…企画。現在2万hit企画お題作成(7作)
戴物…リクエストして頂いた作品。(宝!)
説明…ブログの説明。
成人者の高卒者。
最高学歴は専門学校です
熱しやすく、冷めにくい。むしろ、いつも煙はでている(笑)
性格は社会的には真面目(というより面倒見がいいらしい)、でもすごい優柔不断で酷い奴。自分に自信が持てない。
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【近状】
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