やさしい香りに包まれて

ギアス　(ジェレミア・アーニャ・C.C.・ルルーシュ/25話捏造/ほのぼの)
 

太陽が照りつける中、道を行く。
車の荷台に大量のオレンジと一緒に乗っているのは桃色の髪の少女が一人…アーニャ・アールストレイム。
先の戦いで、ギアスを解いた少女は今、軍でもブリタニアでもなくこのオレンジ畑の主…ジェレミア・ゴットバルドと共に居る。
ギアスを解き、目を覚ましたとき少女は主に剣を向けたことに嘆き、己の命を絶とうとした。それをジェレミアは気絶させ止めたのだ。
次に目覚めた時、少女の目の前には主とした少年がいた。縋りつくように謝る彼女に、久しぶりに主が困惑する姿を見た。

そして、彼女にこれから起こそうと…起こることを断片的にだが伝えた。止まったと思った涙が、また溢れ出していた。何度も嫌だ、嫌だ…そう言った少女の言葉に、少年は決して頷きはしなかった。
少女は、それを己への罰だと言った。許してえても、罪は消えないと。その言葉に、寂しそうに笑った少年は、ならば…と願った。


そうして、少年は命を絶った。


主であった少年が、自分たちにもギアスを掛けたと…そう仕組んで、自分たちは今ここにいる。ギアスという存在は、裏切った彼らの中では断罪されつつも曖昧で…それがどういったことものかは、今となってはC.C.とジェレミア、『ゼロ』以外ではわからないであろう。
故に、罪に出来ず今ここにいる。

此処に訪れるものは、オレンジ業者の者と、時たま魔女が訪れるくらいで平穏なものである。オレンジ業者は、世界でも一番のオレンジだ。と言って外見や自分の過去など気にせず買い取っていく。

「…あ、」

荷台からいきなり降り立った少女が、早足で家に向って駆けて行く。
そして扉を開け、遠目からでもわかる緑の髪…C.C.が部屋に居た。
車を止め、オレンジに布を掛けてから急いで家へと入る。

「オレンジ畑は順調のようだな」
「当たり前だ」
「当然」

返される返事に、C.C.は笑みを隠そうともしないで声高らかに笑っている。
その姿に怒りではないが、焦りが生まれて二人の表情は歪む。普段無表情である二人の表情の変化に、さらに笑いが止まらないようだが。

「ふふ、単純だな。あいつが美味しいと言ったから…だったな」
「他に理由があるか？それで、」
「ほら、今なら大丈夫だ」

そうしてC.C.が指差したのは何時の間にか現れた扉。
それに驚くでもなく二人は勢いよく駆け寄り扉を開いた。

「二人とも、久し振り。お帰り」

そしてその空間にいた人物は、笑みを迎えて二人を迎えた。

「ルルーシュ様！」
「ルル様！！」


柑橘の香りが、風に乗ってその空間を満たした。
C.C.がゆっくりと扉に歩み寄り、三人の姿を見やる。



なぁ、ルルーシュ。お前は幸せか？





＝＝後書き＝＝
オレンジ畑は癒しの化身だったのか…！！(違
何が書きたかった、自分。
普通にアーニャがルル至上主義になってる。(笑)
この捏造ではルルはジェレとアーニャとC.C.と共に居て幸せになりますように！！
他にも本編捏造は色々書きそうな…。とりあえず、今回はこの3人に！