僕の願いと、君の心

夏戦争　　(佳主馬/未来/捏造)

最近、健二さんが構ってくれない。
ストローを咥えながら、佳主馬は無意識に口端を下げていた。
もちろん、遅い自分よりも早く帰ってきて夕食は作ってくれるし、一緒にいてくれる。
侘助からすれば「お前、なにその高望み」らしい。
けれど、何か最近違うのだ。
どこかへ行こうと誘えば頷いてくれるが、どこか遠慮がちな顔だ。
今までも、そんな困り顔を何度も見てきたが、何かが違うのだ。何が違う、といわれれば答えに詰まってしまう。

誰かに聞こうにも、侘助に聞けばにやにやと笑うだろう。
理一叔父さんに聞けばあの笑みでかわされてしまう(しかも、どこか楽しそうに)。
佐久間さんにも、と思ったが健二さんの耳にそして前述の二人の耳にも入ってしまうかもしれない。
 

(そんなこと、絶対に嫌だ！)

 
からかわれるのも嫌だが、そんなことになれば絶対に健二はすまなさそうな顔をする。
一番見たくない、そんな顔だ。

 

今日は大学の授業関連で遅くなると連絡をもらっている。
まだ太陽は高い。帰ってくるのは太陽が沈む頃だろう。
OZでの歓声を聞きながら、佳主馬は眉間に皺を寄せていた。





■□後書き■□

続…くかもしれない。
最後は、もちろんバカップルです。
私にしては珍しいカップル。しかも未来話。

金持ちな攻めに、劣等感を抱く受けって萌えると思うんだ。
年上(受け)が年下(攻め)に養ってもらってると年上(受け)は特に劣等感を抱くと思います。

と思って、書いてみました。