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2007.10.29. 開設  日々徒然と二次創作、オリジナルなどを書いていこうかと。  コメント大歓迎、荒らし厳禁。 詳しくは説明にて。
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彩雲国物語  (絳攸/秀麗/会試直前/切ない)


+ + + + + + + + + +


熱心に筆を動かす彼女を見て、傍にある窓に目を移す。
窓の外には、既に太陽はなく星々と月と暗闇が広がるのみ。
彼女の師として、幾度目だろうか。

叶えることのできないと知っていながら、それにしがみつく

以前の自分なら、無駄なことと切ったかもしれない。
どうしても不可能ならば、諦めろ。と
それでも、今では彼女を応援するだけでなくこうやって勉強をみるくらいになっている。
教えがいがある、最初はそう思ったのだ。

けれど、今はそれだけではなくなっていた

彼女が目指した夢への路が、開かれようとしている。
それを抉じ開ける手伝いを、自分もしたくらいだ。
本当はあっても良かったことを、塞ぎ見向きもしなかったそこに、穴を開けるような。
穴が開いても周囲に皹が入り、崩落すればすべてが終わる。
それでも、どうしても開きたかった。

開くまで、開いてその入り口までは自分にもできる。
進むかどうかは、彼女が決めること。
そして進めば、きっと辛いことが山積みだろう。誰も、自分も助けられないし、そこからが本当に試される。
自分は、遙か彼方から待っていることをすればいい。





それなのに、


「絳攸様?」


自分の思考に浸っていると、彼女の声が自分の名を呼ぶ。
不思議そうにこちらを見る彼女の手には、一段楽したのだろうびっしりと書かれた文字。

「出来たのか?」
「はい」

そう言って、彼女の手から用紙をとる。
自分とは違った、やや丸みがある美しく繊細な字。
細かに採点し、そして修正点は朱文字で訂正をし解説をしていく。
朱文字が入る箇所は以前と違いもうほとんどない。

「上出来だ」
「ありがとう御座います!」

そう言うと彼女は嬉しそうに目を輝かせ笑う。

「では、次はこれだ……」

そして新たな課題を出すと彼女は再び筆を動かす。



彼女には共に歩む為に上に来てほしい。
そう、思うのに



いま彼女といるこの時間、
昔の自分がしたように、夢に願いに向かうこの一時

それが、大切に思えてしまうのは、なぜだろうか。





==後書き==
夢に向かう彼女。
重ねているのか、それとも傍にいたいのか。

黄金の~花は紫宮の間。
絳攸様は、師弟以上恋愛未満な感情。
夢に届けと思うのに、夢を目指すこの時間は一番一緒にいたと思う。
そして、自分と秀麗を重ねてしまうんだろう…とも思う。


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終夜
性別:
女性
職業:
学生
趣味:
ネット、読書、写真
自己紹介:
腐のつく属性。でもノーマルも大好き。

成人者の高卒者。
最高学歴は専門学校です

熱しやすく、冷めにくい。むしろ、いつも煙はでている(笑)
性格は社会的には真面目(というより面倒見がいいらしい)、でもすごい優柔不断で酷い奴。自分に自信が持てない。


【現在一押しジャンル】


【近状】
高校卒業。
4月から歯科衛生士の専門学校

ブログ統合終わってるのに、いい加減削除しようよ自分。


【在中ジャンル】
遊戯、復活、ギアス、APH、彩雲国、マイネ、鰤、セラムン、ギアス、名探偵、愛盾21、ぬら孫、ポケ、TOA、夏戦争


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