向日葵に恋をする

ポケ　(サトシ/初代組/無印/ほのぼの)

 

（君を例えるならなんだろう。空だろうか、炎だろうか。それとも太陽だろうか)




「じゃ、ここで休憩に決定！」
「気持ちいいわね～。海も綺麗ー」
「だな。のんびりできそうだし」
「ピカッ！」

ポケモンマスターとなる夢を持つサトシ。
世界一の水ポケモントレーナーとなる夢を持つカスミ。
ポケモンブリーダーとなる夢を持つタケシ。
そしてサトシの相棒であるピカチュウ。
それぞれの仲間であるポケモンたち。

旅の合間に休憩をする彼らが訪れたのは小さな丘の上であった。
ポケモンたちはボールから出されそれぞれジャレついたりして遊んでいた。

「そういえばサトシずっと聞こうと思ってたんだけど」
「なんだよ？」
「サトシはポケモンマスターになりたいんでしょ？それなのにどうしてポケモンを進化させないの？」
「？」
「だーかーら…強くなるイコールが進化じゃないけど、進化すれば強くなれるじゃない」
「まぁ、そうだよな」
「でしょ？なのになんで？」

昼食の準備をしながらもタケシも相槌を打ちながら話に加わる。

「確かにな。サトシは、あまり興味ない…というか意識しないよな」
「よねー。」

疑問の意図があまり掴めない様子のサトシは首を傾げながら二人を真っ直ぐに見ながら口を開いた。


「だって、あいつらは仲間だろ？嫌がることをやらせたくないだろ？」


何の戸惑いもなく、疑問もなく。
真っ直ぐに射抜くそれは…それは、

「…サトシは、サトシ…ね」
「だな」

カスミは肩をすくめながら海を眺め、タケシは笑いながら昼食の仕上げに入っていった。

「何だ？」
「な～んにも！お子ちゃまなサトシにはわからないわよ～！」
「なんだよー！教えろよカスミ！」
「ほら、二人ともそろそろ昼食できるぞ？」
「いい匂いねー。さぁー準備準備」
「な、タケシも笑ってないで教えろよ！」


匂いに誘われてポケモンたちが集まったところで、サトシの意識はそちらに向いていた。
駆けてきたピカチュウを抱き上げてやさしい笑みを浮かべて。





君は太陽なんかじゃない。

太陽に向かって伸びる、伸び続ける

鮮やかな向日葵




＝＝後書き＝＝

初代組が好きです。
私はやっぱり初代世代。映画も逆襲と爆誕が一番です。
時間軸は無印。

北の地が夏らしくない天気で、夏…と考えたらデジモンとポケモンの主人公それぞれが出てきました。
サトシは太陽というより向日葵。
精一杯、伸びて伸びて…真っ直ぐに伸び続ける存在だと思います。
が、結局何が言いたかったのか…orz