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2007.10.29. 開設  日々徒然と二次創作、オリジナルなどを書いていこうかと。  コメント大歓迎、荒らし厳禁。 詳しくは説明にて。
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鰤 (本編派生/パラレル/一護/山本/切ない)

続きは、今後書くかも。


+ + + + + + + + + +

ふわりと、音もなく舞い降りたそれに誰もが驚きで固まりつつもその色に目を奪われていた。
「此度の村正の件、沈めて下さり心よりお礼申し上げます。」

そして、深く礼をすると長い橙色の髪が纏められた紐につけられた鈴がシャンと音を鳴らした。

「…一、護……」
そして低く、けれどどこか悲しさを含ませた声で目の前にいる彼の名を呟いたのは総隊長であった。
「お久しぶりで御座います、山本総隊長殿」
静かに、けれど深く礼をとるその姿に山本は悲しげな目でその人物を見つめていた。

「…………」
その視線に気付いているだろうに、決して面を上げようとしない人物はただ淡々と言葉を紡ぐ。
「ご健在のようでなによりです。もちろん流刃若火を通じ知ってはおりましたが、こうしてお顔を見ることができなによりです」
『流刃若火を通じて』その言葉に、声が出ぬほど驚いたのは総隊長以外の隊長たちであった。
斬魄刀はその持ち主の半身といもいうべき存在。しかし、それを『通じて知っている』と目の前の人物は言った。

「…その口調を、止めて下さらぬか」
今まで聞いた事のない悲しみと後悔の念を込めたような総隊長である山本の声に、隊長たちは更に驚き、疑問を口にすることができなくなった。
けれど、未だ頭を垂れる彼は、その声に込められた思いを知りながら、言葉を紡ぐ。
「私は『斬界』の者。死後の世界ではありますが、尸魂界では鬼籍となったもの。どうかご容赦下さい」
『斬界』。再び聞いた事のない言葉に疑問を上げる前に、叫ぶような嘆くような総隊長の声がその場を満たした。
「…っ、貴方は、貴方がそのままいて下されば総隊長の座は変わらずにであったでしょう。私ではなく…!」
今までに聞いた事のないような、叫び。
教え子である二人も、それよりも長き時間を隊長として勤めた卯ノ花すら聞いた事のないような、悲痛な声。

その言葉に、今まで微動だにしなかった彼は僅かに顔を上げて答えた。
「…既に過去のこと。私はこの尸魂界を含め他界に一切の干渉を許されない世界のものです」
その言葉に、頭を振りながら否定をする総隊長の姿に、彼が総隊長が長く願っていた存在であったと察した。
一度も、言葉にされることはなかった、けれどそれに気付いていた。
「貴方は何よりの光でした。瀞霊廷を…尸魂界をここまで導いたのは貴方の力あってこそでした。貴方は尸魂界の太陽であり光でした」
「奪われた時、尸魂界は闇に閉ざされた」
途方もない昔、それを知る者はもうほとんどいないけれど…光失われた時の絶望は今でも鮮明に。

「今の尸魂界を導いたのは貴方です、山本総隊長」
シャン、と静かに鈴の音を響かせながら答えたその人物は、僅かな切なさと親愛を込めたような瞳で総隊長である山本を見ていた。
「貴方が作った地盤の下、貴方を見て学んだことをやったまで。自らの力を残さずとも、貴方が残したものは尸魂界の全てになっていた」
彼が願っていたこと、それを己が叶えて見せると誓ったのはあの時だった。
だからこそ、今も自分は彼がいるはずだったこの場に座っているのだから。


「……変わってないな重國…」


静かにまるで空気に溶けるような言葉と共に、その人物は紡いだ言葉と同じようにその場から消えていた。
優しさと、哀しさと、愛情を込めた笑顔を残して。

呆然とする隊長達のなかで、浮竹が師である山本に驚愕の目を向けながらここにいる皆の思うことを問う。
「先生…あの方はいったい…」

先ほどと同じ悲しげな、けれど遠くに思いを馳せたような顔をしながら弟子である浮竹の言葉に答えた。
「…遠い昔、それこそ現在の護廷の形を創った方だ…儂の前の、総隊長じゃ…」

白い羽織と鮮やかな橙色の髪を靡かせ、共に戦い、笑いあい、消えていった存在。
「名を、黒崎一護」


ただ共に在りたかった。
それすら、許されなかったけれど。




□■後書き□■

数日前から考えてた、斬魄刀異聞篇パラレル設定。
1話…かな。
今後続けていけるか微妙ですが。続ければ、斬魄刀たちも出ます。
以下、設定。

【設定】(以下反転)

【一護】
 元は死神で、現総隊長である山本の先輩であり、前総隊長。
 死神としての力と虚としての力を併せ持つことから、『斬界』(斬魄刀が誕生する異空間)の守護者となるべく死神を座した。
 その力はいまだ衰えていない。
 先輩後輩ではあるが、山本とはよき友であり好敵手、背を預けられる唯一の存在だった。

【山本】
 一番隊隊長にして現総隊長。
 自分の先輩である一護が斬界へ行くことに最後まで反対した。
 一護は先輩だが、良き友であり好敵手、背を預けられる唯一の存在。

【斬界】
 主である者に名を呼ばれるまで斬魄刀が在る異空間。
 他界からの干渉は一切できないが、死神と虚の力を併せ持つ一護は斬界そのものに選ばれ、守護者及び管理者となった。斬界自体に意思があるが、それが『起きる』ことは稀。
 他界すべてに干渉しないが、力あるものが己の斬魄刀を知った時にそのものの霊力を通じ、斬魄刀を与える。力そのものは死神でも破面でも関係ない。
 斬魄刀の名を付けるのはその霊力を感じ取る守護者のみであり、死神の斬魄刀は一護が、破面の斬魄刀は一護の中にある内なる虚が名づける。
また力あるものが誕生した瞬間に、斬界では斬魄刀が形作られ始め、鍛えられていく。刀そのものの自我もそこで生まれる。
 守護者自身は他界へ行くことは容易い。現在の守護者及び管理者は黒崎一護。
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学生
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ネット、読書、写真
自己紹介:
腐のつく属性。でもノーマルも大好き。

成人者の高卒者。
最高学歴は専門学校です

熱しやすく、冷めにくい。むしろ、いつも煙はでている(笑)
性格は社会的には真面目(というより面倒見がいいらしい)、でもすごい優柔不断で酷い奴。自分に自信が持てない。


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【近状】
高校卒業。
4月から歯科衛生士の専門学校

ブログ統合終わってるのに、いい加減削除しようよ自分。


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